ピンぼけブログ館II

京都人のおじさんです。仕事場は大阪船場。近所をブラブラ歩きながら、写真を撮ったり、お寺や神社に参ったり、ギャラリーをのぞいたりしてます。余り飛び回れなくなりましたが、鉄ちゃんでもあります。 よろしくお願いします。地元の叡山電車の写真をメインとした鉄道の話、京都・大阪とその近郊のお散歩やギャラリー巡りの感想、ちょっと遠出できたときの旅行記、などなど、なんでもありの雑文などをぐだくだと.... (by なかっちょ from Kyoto)

「文化財よ、永遠に」展 in 泉屋博古館

  お彼岸の連休二日目は、午前と午後に分けてアート鑑賞  

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  午前は、泉屋博古館の「文化財よ、永遠に」展にいきます。
住友財団の文化財修復助成事業30周年と助成件数1000件超を記念して、東博、博古館(東京)、同(京都)、九博の四か所で同時開催される(内容はそれぞれ別)の展示のひとつです。
 

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よく博物館や美術館にいくと、「この展示物は〇〇年に修復されて、当初の輝きを取り戻した」とか、「これはxx年の修理で、仏像の体内から取り出された」とか書いてますよね。
でも修理や修復の詳細まではなかなか説明されていません。今回の展示は、いわば文化財保護の担い手の地道な活動に焦点をあてるものです。

文化財の修復で一番大切なものは、やはり実際に補修を担当する方の熟練の技と、熱意ある仕事ぶり、だそうです。ビデオで修復の現場を映していましたが、気の遠くなるような細かい作業が何か月も続くそうです。

二番目は、最新の科学に裏打ちされた修復技術。非破壊検査文化財を痛めることなく内部を観察することができます。経年で劣化した素材を美しく甦らせる技術も進歩しています。大型のスキャナーで障壁画のような大きい文化財も丸ごとディジタルコピーできるようにもなりました。

三番目で今回のテーマでもあるのは、資金の裏付けです。やはりお金がなければ、人も物も動かせません (^^; 公的補助はありますが、足らない部分を企業のメセナ活動が支えています。例として住友グループが所蔵する文化財の修復品もいくつか展示してあります。

詳しくは、泉屋博古館のHPをご覧ください。

 

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  展示品はぜんぶで30点ほど、前後で入れ替えがあります。
目玉(笑)は、高雄神護寺の国宝「山水屏風」。もともとは貴族の屋敷の調度品であったのが、寺の儀式用に転用され今に伝えられています。汚れを落とし、順番を正しく替え、表装も取り換えられています。
 

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  国宝「明月記」時雨亭文庫蔵も巻47が展示されてました。(後期は巻48の予定)
定家卿の自筆が700年余の時を超えて、今に伝わるなんてすごいですよね。この先また何百年と伝えていかなければなりません。
 

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  面白く感じたのは、「武家諸法度草稿」以心崇伝筆:金地院蔵
原稿が残っているんですね(^^) 加筆訂正の跡もあって、黒衣の宰相の息遣いまで伝わってくるようです。
 
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