ピンぼけブログ館II

京都人のおじさんです。仕事場は大阪船場。近所をブラブラ歩きながら、写真を撮ったり、お寺や神社に参ったり、ギャラリーをのぞいたりしてます。余り飛び回れなくなりましたが、鉄ちゃんでもあります。 よろしくお願いします。地元の叡山電車の写真をメインとした鉄道の話、京都・大阪とその近郊のお散歩やギャラリー巡りの感想、ちょっと遠出できたときの旅行記、などなど、なんでもありの雑文などをぐだくだと.... (by なかっちょ from Kyoto)

京博2021新春展示

  鉄ネタが続くので(笑)、先に1月10日に見てきた、京都国立博物館の2021新春展示を入れます。  

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  「丑づくし」「文化財修理の最先端」「新春大念仏狂言」をやってます。  

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  最初は「丑づくし」
解説によれば、牛(丑)と人間とのつきあいは古く、約1万年まえには、犬・山羊・羊・豚についで家畜化されたそうです。3500年前ごろの馬より早いんですね。東アジアでは十二支のひとつになってお馴染みです。
また禅宗では、悟りの世界を象徴するものとして牛が描かれます。

展示品は、日本や中国の牛をかたどったかたどった埴輪や置物・道具、新羅の十二支像の拓本、重文「牛図 俵屋宗達筆(頂妙寺蔵)」(写真)や海北友松ほかが描いた牛の禅画(十牛図・牧牛図)などです。
 

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  次は「文化財修理」これが、冬季のメイン展示です。(1/31まで)
京博内の文化財修理所の開所40周年を記念した展示で、近年の修復成果の中で中で新発見を伴う注目すべき事例が展示されています。

全部で5部に分かれていて、1部の表具の価値-文化財としての表装-では、重文「金字法華経宝塔曼荼羅図」(写真)が見ものです。法華経の文字を連ねて何重もの屋根を持つ宝塔を描いています。文字は細かいので、オペラグラスのような拡大鏡を持参しないと読めません(^^;
 

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  2部の修理がもたらした奇跡-修復で得られた発見-では、普段見れない仏像の胎内や絵の裏側などから発見された知見を見ることができます。

昔の歴史の教科書で「足利尊氏像」とされてきた「騎馬武者像」(写真)が修復されて出てます。クリーニングされてお武家様(高師直説が有力)も男前に(^^;
 

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  3部は最新の修復結果-ベストな修理を目指して-では、修理の内容や修理方法が詳しく説明され勉強になりますね(^.^)

国宝「病草紙(ふたなり、攪乱、眼病)」(写真)、重文「四季耕作図屏風(久隅守景筆)」、重文「阿弥陀来迎図(安楽寿院蔵)」、国宝「金剛般若経開題残巻(空海筆)」、重文「九条袈裟 無準師範所用(正伝寺蔵)」などの優品が修理を受けて並べられています。
 

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  4部は彫刻の修理。仏像・神像の修理です。

国宝「五智如来像(安祥寺蔵)」(写真)、重文「宝誌和尚像(西往寺蔵)」など、信仰対象から離れて美術品として仏像を鑑賞することができます
 

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  5部は、修理 いまむかし-過去から未来へーでは、近代以前の修理を振り返って、現在の修理と比較できます。

千年前から変わらない伝統技術と21世になって開発されたハイテクの融合で、文化財は次の世代に伝えられていくことでしょう。
 

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  最後は、新春イベントとして「千本ゑんま堂大念仏狂言」を見ました。

演目は「寺ゆずり」-隠居した師匠から住職の座を譲られたお坊さんが師匠や訪ねてくる村人との掛け合いで演じるコメディで、初笑い(*^▽^*)です。

写真のように演者は面をつけ台詞をしゃべります。素顔で台詞にある能狂言や素顔で無言劇(パントマイム)を演じる壬生狂言や嵯峨狂言と違うところですね。
 

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  [予告]
京博の春季展は「鑑真和上と戒律の歩み」だそうです。南都から鑑真像もやってきます。楽しみですね(^^♪
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