ピンぼけブログ館II

京都人のおじさんです。仕事場は大阪船場。近所をブラブラ歩きながら、写真を撮ったり、お寺や神社に参ったり、ギャラリーをのぞいたりしてます。余り飛び回れなくなりましたが、鉄ちゃんでもあります。 よろしくお願いします。地元の叡山電車の写真をメインとした鉄道の話、京都・大阪とその近郊のお散歩やギャラリー巡りの感想、ちょっと遠出できたときの旅行記、などなど、なんでもありの雑文などをぐだくだと.... (by なかっちょ from Kyoto)

木島櫻谷展・泉屋ビエンナーレ in 泉屋博古館

  3連休二日目の9月19日は、泉屋博古館へ。秋季展として「木島櫻谷展」と「泉屋ビエンナーレ」をやってます。  

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この美術館では、過去にも木島櫻谷を取り上げてますが、今回は四季屏風が見どころだそうです。

会場に入ると、第1章で住友コレクションの掛け軸を何点か拝見します。住友家15代当主の住友友純(号:春翠)が集めたものが多く、同じ京都生まれの櫻谷の画風を好むところがあった解説されています。
会場の中央にひろげられた「猛鷲波濤図」屏風の雄大な画面に感動して、次へ。

第2章は、円山応挙や呉春に始まり、幸野楳嶺・竹内栖鳳に至る、円山派・四条派の江戸中期から明治までの京都画壇の逸品が並びます。

第3章は、今回の目玉の四季屏風です。住友家の茶臼山本宅(現:大阪市立美術館付近)の大広間に合わせて描かれたひと回り大ぶりの金屏風に、桜・燕子花・菊・白梅が描かれています。

古典的な四季草花図のモチーフですが、的確な写生に裏打ちされ、ひとつ一つ描き分けられた花や葉っぱ、余白の活かし方など大正モダンの時代の息吹が感じられます。

四双の屏風に囲まれたベンチに腰掛けると、迫ってくる四季絵のパワーに圧倒されそうです(^^;

最後に、特集:櫻谷と工芸意匠として、硯箱や箱書き、古画模写などが見れました。

全部で30点あまりの小規模な展示ですが、いつもながらに財閥家の財力と教養を思い知らされる(笑)展示です。

 

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特別展に続いて青銅器展示室の企画展「泉屋ビエンナーレ2021」をみます。

副題に「現代彫金作家x中国古代青銅器-ひびきあう聲」とあるように、住友コレクションにインスパイヤした作品が並んでいます。

数千年数千㎞の時空を超えて、21世紀的感覚で造形された作品は、非常にポップですが、古代中国のデザインも実は非常に奇抜で、当時の人たちもモダーン・アートとして驚きの眼差しで受け止めてたと想像されます。

一方的な崇拝ではなく「響き合う」たるゆえんでしょうね(^^)

 

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  万物層累聖獣盉-梶浦聖子
ブレーメンの音楽隊」が頭に浮かぶ容器です。盉とは酒や香料を調合したり注いだりする器だったようです。
 

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  揺れ動く輪郭-平戸香菜
見る角度によって光と影が絶え間なく変わるオブジェの用途は何でしょうか(^.^) 琵琶の本体のようにも、巨大なスプーンにも見えますが。
 

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  鳥の青銅花器と繋ぐ花-三上想
花びんは、大人しい造形で古代青銅器のイメージを受け継いでますが、アーチ型の草花が金属細工とは思えない軽やかさ、可憐さをもって見る人を引きつけます。
 

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  十人十音-山下真守実
小さなベルです。手で持って振ると澄んだ音色が展示室に響きます。まさに古代と共鳴する楽器ですね(^^)
 

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  お堅い住友コレクションのイメージが覆る(笑)ような楽しい展示会でした。青銅器の知識がなくとも見て回れます。12月まで会期があるので、足を運ばれてはいかがでしょうか。
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