ピンぼけブログ館II

京都人のおじさんです。仕事場は大阪船場。近所をブラブラ歩きながら、写真を撮ったり、お寺や神社に参ったり、ギャラリーをのぞいたりしてます。余り飛び回れなくなりましたが、鉄ちゃんでもあります。 よろしくお願いします。地元の叡山電車の写真をメインとした鉄道の話、京都・大阪とその近郊のお散歩やギャラリー巡りの感想、ちょっと遠出できたときの旅行記、などなど、なんでもありの雑文などをぐだくだと.... (by なかっちょ from Kyoto)

【叡電】短歌詠電 in 京都精華大学

  10月から走り出した、こもれびギャラリー「短歌詠電」ですが、12日の夜になってやっと空いた電車に乗合すことができました。  

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  京都精華大学デザイン学部ビジュアルデザイン学科3年生が、“ことばの表現”を学ぶ授業「ことばデザイン」で制作したポスター作品の展示です。
歌人から指導を受け、伝統文化に触れながら、京都をテーマに短歌を詠んだ歌にビジュアルデザインを加えて、視覚的にも楽しめるポスター表現となっています。』
と、コンセプトが書かれています。

味読(笑)してもらうために、余計な解釈はいれず、ポスターのテキストのみを書き写していきます。
 

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ええとこ
いいとこ
しっとこ
短歌詠電

私たちは、京都精華大学ビジュアルデザイン学科の学生です。

4月から「ことばデザイン授業」において「短歌」を学んできました。 皆さんは、ふだんからことばの表現に気を使いますか?

感じた思いをうまくことばにできますか? 一見、無縁に見える「短歌」と「デザイン」ですが、「人と気づきを共有する、伝える」においては、「人をつなぐ装置」と同じだと私たちは思っています。

今回、叡山電車沿線を実際に歩いて、見て、感じたことを、学生なりの視点で短歌として、ことばのデザインとして詠んでみました。

私たちの初々しい短歌から沿線の良さや地元の新発見、新しい視点を感じて頂けると幸いです。
 

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  何者になってみたくて空想に飛んであの子はサントラを聴く (市原駅  

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  (左) おじいちゃんとおばあちゃんは永遠の旅人 鳩の羽音に手水の音に (八幡前駅

(右) 網を持ち何かを探してはしゃぐ君なにかがなんでもよかった時代  (宝ケ池駅)
 

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  (左) ラーメンとマスクは似合うすっぴんでにんにくを増せ日曜の夜  (一乗寺駅

(右) 軒先の二人が覗く虫かごはカブトムシがいるのかいたのか  (元田中駅
 

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  (左) あっというまね 八十四の石段となぜか愛しい君の膝裏 (貴船口駅


(右) こりゃ降るな、陽だまり味のクリームパンほおばりながら空をみていた  (岩倉駅

 

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  (左) 「かわせみ」のわとせが抜けて神になるコーヒーショップを小さく拝む (元田中駅

(右) ツバメに巣をつくらぬように乞う君は物を手放すつらさを知る人  (岩倉駅
 

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  (左) 川沿いに咲く花みたいになりたいそしたらきっと、つよくなれるよ  (一乗寺駅

(右) これは夢 花と絵画の溶ける色 エンドロールは紅茶を添えて  (八瀬比叡山口駅
 

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  (左) まん丸のアイスのふたが金メダルだから明日も頑張れるのだ  (京都精華大前

(右) 火星から光年駆けて風は呼ぶ彷徨う蜻蛉を隅で見つけた  (三宅八幡駅
 

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  (左) 木漏れ日の染みこむ庭に心中の魚はやおら水面を仰ぐ  (三宅八幡駅

(右) 降りてくる枯葉にときめき揺れる目が止まった先で控えめな音  (宝ケ池駅)
 

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  (左) 石の鳥居ぶつからぬようにくぐるとき蟻と目が合う「君も参拝?」  (市原駅

(右) 君の読む本のページはめくる度違う色の光を纏う  (木野駅
 

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  虹彩がのんだ色彩 そこだけは見られない如来の後頭部  (三宅八幡駅  

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  「詠電短歌」いかがでしたか。心に響く歌はありましたか。
私は「石の鳥居で蟻に声をかける歌」が目の付け所が若者らしくてイイな(^^)
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