GW最終日の5月8二兎は。岡崎公園周辺の美術館を巡ってきました。 京セラ美術館の兵馬俑展とポンペイ展、細見美術館の神坂雪佳展、野村美術館の千利休茶の湯展などなど、見ものはいっぱいあるのですが、泉屋博古館と近代美術館で開催の「文人画展2題」を鑑賞しました。 |
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先に泉屋博古館へ。 ここは、「旅」をテーマに住友コレクションから選んだ「文人画」が展示されています。 「画家が旅する。絵が旅する。絵の中を旅する。」と副題がついてます。 最初の「画家が旅する」とは、文字どおり作家が美しい風景やこころ通う師友、先人の書画、そして美味なる酒食(^.^)を求めて旅行にで、心を豊かにし、作品につなげることです。江戸時代も後期になると街道も整備されて、庶民も比較的手軽に旅にでて見分を広げたようですね。 2番目の「絵が旅する」とは、当時の文化先進地であった中国や朝鮮から舶載され珍重された文物、さらに日本に渡航してきた彼の地の画家が日本の作家に与えた影響を意味します。 明治以降のフランスや戦後のアメリカ文化の影響を考えるとわかりやすいですね。 当時の知識人は漢文の素養が深く、絵の賛などに漢文をすらすらと書き連ねてますが、これも今の英語を理解するのに置き換えるとしっくりきますね(^^) 3番目の「絵の中を旅する」とは、「当時の文人には描かれた理想の天地に身をおくことこそ最大の醍醐味」と解説されてますが、古今の名書画を床の間に飾り、酒食をたのしみ、寄せ書きを作る、などしたようです。 この文化サロンこそが、文人たちの最大の喜びであり、つぎに見る近代美術館の文人画のテーマにつながっていきます。 展示作品数じたいはそれほど多くはありませんが、たまたま作品解説もあり、「文人画とは何か」を理解するのによい機会でした。 |
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泉屋博古館で知識を仕入れて(笑)、いよいよ近代美術館に移動します。 この展覧会は「江戸時代から近代で、京都と大坂で活躍した画家の代表的な作品を紹介し、その交流による文化サロンにも焦点を当て、当時の文化交流の様相を紐解いてみたい」 と趣旨が書かれてます。 さすがに国立博物館はスケールが違いますね。3階全室と4階の一部を使って、与謝蕪村(1716〜1784)から、池大雅、円山応挙、呉春、伊藤若冲、田能村竹田、浦上玉堂、岸駒、木村蒹葭堂、岡田米山人、森一鳳、他あまり有名でない(失礼)作家も多数。最後は小出楢重(1837〜1931)まで約100年、239点(入れ替えあり)の大展示会です。 作品は、文人画の定番の山水画や中国の人物・文物、花鳥風月はもちろんですが、京と大坂の交流を示すため、淀川沿岸名勝図や寄合での合作(寄せ書き)などが目を引きます。 これだけたくさんの展示があると、途中でダレて(^^; 最後は飛ばして出てきてしまうことも多いですが、今回は最後まで見れましたね。 またテーマを変えて文人画展・南画展をやってほしいです。 * |
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