ピンぼけブログ館II

京都人のおじさんです。仕事場は大阪船場。近所をブラブラ歩きながら、写真を撮ったり、お寺や神社に参ったり、ギャラリーをのぞいたりしてます。余り飛び回れなくなりましたが、鉄ちゃんでもあります。 よろしくお願いします。地元の叡山電車の写真をメインとした鉄道の話、京都・大阪とその近郊のお散歩やギャラリー巡りの感想、ちょっと遠出できたときの旅行記、などなど、なんでもありの雑文などをぐだくだと.... (by なかっちょ from Kyoto)

朝廷をとりまく人びと(高埜 利彦 編)

 

コロナ騒ぎで、イベントがドンドン中止になるので(^^; 図書館にいって本を借りてきました。

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高梨利彦編「朝廷をとりまく人びと」吉川弘文館発行,2007初版です。

内容を一行で書くと「江戸時代の朝廷、そこに仕えるる下級のお公家さんやその家来、武士、僧侶、出入りの町人などの実態に迫る(^^)/」ってとこでしょうか。

江戸時代というと、とかくお侍と町人にスポットが当たって、「江戸時代にも朝廷はあったんだ(^^;」って、ひとも多いと思います。

皇室や摂関家といった上級貴族の様子は、歴史の教科書でも少し取り上げられますが、中級以下の公家やその周りの人々については、一般にはほとんど知られていないのではないでしょうか。この本はそのような人々にスポットを当てて、解説してくれます。

この本を手に取るきっかけは、別の本かネットの情報か忘れましたが、「江戸時代の朝廷では、儀式などの際に、最下級の官人の仕事を町民に請け負わせた。」というくだりを読んで、詳しいことを知りたくなったのです。

この本の、第二章「地下官人」西村慎太郎著によれば、当時は、予算不足による人手不足を解消するため、というか現実は官人の身分を金で売買して(武家なら御家人株ですね(^^;
普段は商人や医師や名主などを生業をする町人の『山城屋何とかさん』が、お即位などがあると『従七位上山城掾藤原何某』の名乗り、衣冠に服装を正して笏をもち儀式の末端に連なったそうです(^^)/

やはり官人株を買うにはそれ相応の(安くとも千万から億単位?)の金が要ったでしょうが、裕福な町人にはそれほど負担に感じられず、むしろ官人としての名誉(苗字帯刀や位階、服装)、そして江戸の武家屋敷のような治外法権(^^; を得られるメリットが大きかったようですね。 

 
     
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