ピンぼけブログ館II

京都人のおじさんです。仕事場は大阪船場。近所をブラブラ歩きながら、写真を撮ったり、お寺や神社に参ったり、ギャラリーをのぞいたりしてます。余り飛び回れなくなりましたが、鉄ちゃんでもあります。 よろしくお願いします。地元の叡山電車の写真をメインとした鉄道の話、京都・大阪とその近郊のお散歩やギャラリー巡りの感想、ちょっと遠出できたときの旅行記、などなど、なんでもありの雑文などをぐだくだと.... (by なかっちょ from Kyoto)

草野水樹 個展「パレード」& グループ展「夏の華」in SUNABAギャラリー

  7月28日は、会社帰りにSUNABAギャラリーに寄ってきました。
草野水樹さんの個展「パレード」とグループ展「夏の華」がともに最終日です。
 

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  草野水樹さんは、このギャラリーではおなじみの作家さんで、美人画の上手さでは定評があります。
グループ展は、「華」のイメージを4人の作家さんがどう膨らませて見せていただけるか気になるところですが、偶然か狙ったのか(^^; こちらも女性像が多いです。個性的な描き分けの妙も楽しめます。
 

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  草野さんの展示は、やはり女性像を中心に動物モチーフにした作品もいれて20点ほど展示してありました。

誘うような蠱惑の表情だったり、心配げで憂鬱な顏だったり、自信に満ちた前向きの姿勢だったり、何気なくもフト立ち止まったりと、仕草はさまざまですが、一瞬を切り取ったデッサン力が素晴らしいです。

さらに、服装・髪型・背景・小道具・同席?する動物たち、そしてタイトルに至るまで計算されつくした画面構成です。それでいて、息詰まるような緊張感を感じないのは、そこはかとなく漂うレトロ調によるものでしょうか。
 

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  「思い初め、また会う日まで」
たくさんの作品からこの一枚を選んでみました。作家さんの想いとは違うかもしれませんが、大正ロマン・昭和モダンの時代の美人画の匂いを感じ取ったからです(^^)
 

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  「夏の華」展の安藤朱里(あんどうあかり)さんの作品です。
草野さんとは印象がちがいますが、やはり美人画といえるのでしょうか。顔がアップになって花は服の柄や小道具としてさりげなく描き描きこまれてます。
ほかにやや劇画調(^^)のタッチの作品もあり、クールな印象の顔つきが決まってます。
 

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  「初見草」
「初見草」とは特定の植物ではなく、「春の松、夏の卯の花、秋の萩、寒菊または雪を表す言葉」だそうです。
着物の柄は「萩に朝顔」のように見えますので、暑い時期に秋のアイテムを取り入れて気分だけでも涼しくといったところでしょうか(^.^)
やや無造作にながれる髪の毛はくつろぎの時かな。
 

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  松平一民さんの作品です。
日本の神話や伝承の女神さまをモチーフに描かれています。
神さまは草花をまとった半裸の美少女として表現されています。天真爛漫な姿や、萱(草)の神さまはヘビを従えたりして、自然を感じます。
 

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  「夏高津日神」
その名の通り「夏の高い日差しの神格化」した神様のようです。昔も今も、日差しがなければ植物は育ちません。古代人は、この伸びやかな少女の肢体のような純粋さで、(アマテラスオオミカミのような絶対神とはまた違った形)で太陽に祈っていたんでしょうね。
 

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  妄想ハクビシンさんの作品です。
今年の2月にはじめて作品を拝見して、特に「水辺に集まる蝶と女性」を描いた「吸水」という作品に感動したのが記憶に残ってます。

今回は、夏に咲く代表的な花に合わせて5点出品されています。
 

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  「おわりと始まり」
梅雨空に先駆けて咲き出し、猛暑の頃には盛りをおわる「タチアオイ」と、冷えた飲み物と、冷たいお菓子を手にして猛暑の始まりを印象つける女の子だそうです。
ここまでは、たまたま在廊されてた作家さんにお聞きしたのですが、夏告げ鳥?、電線、お地蔵様の祠かな?は、何を意味するのでしょうか。
 

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  最後は、琴乎あおいさんの作品です。

いままで紹介した4人とはちょっと雰囲気の違う作品です。花と女性のモチーフは同じですが、重苦しい気配が漂います。どちらかというと怖い絵かな(^.^)
華やかさだけでなく、荘厳や鎮魂のためにも用いられる花の二面性を感じました。
 

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  《Sleeping Beauty》
もしかするとこの女性は、永遠の眠りに付かれたところでしょうか。枕元の蝶は、抜け出た魂なのかも。

 
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