ピンぼけブログ館II

京都人のおじさんです。仕事場は大阪船場。近所をブラブラ歩きながら、写真を撮ったり、お寺や神社に参ったり、ギャラリーをのぞいたりしてます。余り飛び回れなくなりましたが、鉄ちゃんでもあります。 よろしくお願いします。地元の叡山電車の写真をメインとした鉄道の話、京都・大阪とその近郊のお散歩やギャラリー巡りの感想、ちょっと遠出できたときの旅行記、などなど、なんでもありの雑文などをぐだくだと.... (by なかっちょ from Kyoto)

「ARTる 墨 展」& とmoえ個展「奏 展」at ギャラリーそら

  4月になりました(^^♪
3月の天候不順の影響で遅れている(^^; 桜の話題に移る前に、もうちょっと3月後半の話題をご覧ください<(_ _)>
 

  3月22日は、会社帰りにギャラリーそらさんへ。
グループ展「ARTる墨」と「とmoえ個展 奏展」を見ます。
 

  そらさん恒例のARTるですが、初回の「紅」は多忙で見逃して(^^; 2巡目から。墨一色は、シックでクールですね。

ちはらすず「潮騒と貝殻」
「空と海」のモチーフは、この作家さんのお好みですが、普段のブルーを基調にした明るい色使いから、墨一色のドローイングで勝負です。
 

  gaku「森のクロクマさん」と「森のシロクマさん」
テーマは「表裏一体」。リバーシブルの面白さです(*^^*)
 

  幾島淳夫「墨黒の空と白光の月」
絞り締めの作品。墨に柿渋を混ぜて染め出してあり、黒のなかに赤や黄色を感じさせます。
 

  すこしばかり彩色した作品もならんでます。
雷 "couple” 輪郭線や髪の毛に効果的に色線が使われてますね。
 

 

小原緑 "Filters" (左)
『目の前にあるフィルターと描いています。人はフィルターを通して物事を見ている。』と、コメントがあります。
フィルター(色眼鏡?)を外せば、世の中は黒一色(^_^) というブラック・ユーモアでしょうか(笑)

 池宮弘登「黒い花 Yellow」と「黒い花 Red」(右)
大胆な花文字です。黄色と赤の点で、全体を引締める手法は秀逸です。

 

  奥の "iBlue”は、とmoえさんの個展「奏」です。  

  写真では分かりにくいのですが、貼り絵です。ベースになる下絵に彩色して切り抜いた色紙を貼り合わせて作品に仕立ててあります。

昨年2月のバレンタイン展でも拝見しているのですが、その時は彩色画だと思って見てました。今回じっくりと拝見して重なりがあるのを発見(^_^)
 

  旧作です。輪郭のハッキリしたメリハリのある作品ですね。  

  左3枚は新作、右2枚は旧作です。
新作は、すこし作風が変わっているように感じます。
 

 

この5枚は、物語になっています......

とmoえ 「おじいさんのギター」 2023年製作

(右上)あのネ、あのネ・・・
ぼくがこの家にやって来た時、部屋の隅っこの、ほこりをかぶった古いギターが気になって、穴の中をのぞいてみたんだ。
すると、ギターが昔の話を聞かせてくれたんだ。

(左上)おじいさんが若かった頃は、いつもやさしい音色を響かせていたんだって。
静かにふる雨のようなスーッと泳ぐ魚のような頬にふれる風のようなその風にゆれる木の葉のような... そして隣ではいつもパートナーが微笑みながら歌っていた んだって。
ぼくはその音色を想像しながら眠りにつくだけで良い夢を 見る事ができたんだ。

(右下) ある日おじいさんが外から帰って来るなりギターの手入れ をはじめたんだ。
ぼくはとっても驚いたけれど、おじいさんの目はキラキラ していて、ぼくは嬉しくなった。
数日後、ギターを持って出かけるおじいさんの後について行ってみた。
公園には、1人の少年がうつむいて立っていたんだ。

(下中) 「やぁ、 来てくれたんだね。
今日は思いきり歌うといい。からかわれた事なんて忘れて自由に歌うといいよ。好きなんだろう? 歌うことが。
私もずいぶん久しぶりにギターを弾いてみようと思ったんだ。隣で歌ってくれる人がまた現れたんだから。」そういうと、おじいさんは静かにギターを弾きはじめた。

(下左) 最初はとまどっていた少年ものびやかに歌いはじめた。 ぼくは心地良くて、音色にとけていくようだった。
気付けばあたり一面お花畑。
おじいさんからも、少年からも、ギターからも、 ぼくからも花が咲いた。咲いた。
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