夏休み期間にはいりましたので、関西各地の美術館・博物館の夏季展示を見て歩きます。最初は、京都文化博物館から。 | ||
小早川秋聲(しゅうせい)(1885〜1974)は、鳥取県出身で、京都を中心に活躍した画家です。 副題に「旅する画家の鎮魂歌(レクイエム)」とあるように、日本国内はもとより中国を旅して東洋文化を研究し、欧米を旅して西洋文化を吸収し、戦時中は従軍画家として戦争画を多く描きます。 展示は、修行時代、旅する作家の時代、従軍画家の時代、戦後の時代と4つに分かれていますが、戦前・戦中・戦後では大きく印象が異なっています。 戦前のコーナーでは、日本国内はもとより、中国や欧米各国を見て歩いた体験に基づく楽しい紀行画集が見ものです。 戦争画のコーナーは、それまでの華やかな印象から一変します。自身の僧侶であり、陸軍予備士官でもあるという立場がそう描かせたのでしょうが、単なる戦意高揚に留まらない、戦場での兵士の生の姿を写し、戦闘の場面にもさりげなく秋草を描き込み、戦火に散った人々の鎮魂の絵も多く残しました。 戦後は、価値観の大転換や自身の健康不良のため大作を残すことは無くなったようですが、戦前に戻ったような穏やかな作品を描かれてます。前回の東京五輪の聖火ランナーを描いた記念作もありました(^.^) 京都で活躍された作家さん(お家は下鴨神社の近く)ながら失礼ながらあまり存じ上げなかったのです。今回の回顧展をみてその多彩な画業に驚きました。秋には東京へも巡回します。ご覧になることをお勧めします(^^) 9月26日まで、詳しくは京都文化博物館のHPへ * |
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