ピンぼけブログ館II

京都人のおじさんです。仕事場は大阪船場。近所をブラブラ歩きながら、写真を撮ったり、お寺や神社に参ったり、ギャラリーをのぞいたりしてます。余り飛び回れなくなりましたが、鉄ちゃんでもあります。 よろしくお願いします。地元の叡山電車の写真をメインとした鉄道の話、京都・大阪とその近郊のお散歩やギャラリー巡りの感想、ちょっと遠出できたときの旅行記、などなど、なんでもありの雑文などをぐだくだと.... (by なかっちょ from Kyoto)

日本画新展2024 at 美術館「えき」KYOTO

  建国記念の日の3連休は、京都市内をあちこち見て回りました。10日は、「えき」KYOTOの日本画新展からスタート。  

  京都の日本画壇の明日を担う新進気鋭を推薦する展示も今年で16回目。30名が選ばれています。
入賞の6名のみなさん、おめでとうございます(^^)/
 

  京都商工会議所会頭賞 田中達也 「痕跡」

地元兵庫の高架下や工場の壁から着想を得た作品。疵・汚れ・貼り紙などのイメージが伝わってきます。英字新聞をコラージュ風に使われているのが面白い。
 

  京都市長賞 小熊香奈子 「時(とき)がふりつもる」

お花たちは、制作に使われてそのまま盛りを過ぎたようです。移り行く草花(現実の作者)と時を忘れたようにまどろむ猫(作者の願望)。どちらも作者自身の投影のようです。
 

  京都府知事賞 高山 紀久恵 「継ぐ」

入選作のなかで、一番目に留まった作品(^^)
作家の地元では、「大人は顔を隠し、何処の誰だかわからない中に、ご先祖さまが交じって踊られる。」と、伝えられます。
大人の踊りをみて一生懸命の踊る子供に、伝統が継承されていく様子を込められています。
 

  優秀賞 古谷 優加子 「迷子の風」

草むらの中に、巨大な虫たちがうごめく不気味な世界。縞模様の生き物は、魚?イシダイ? バックの黒い丸いものは月? それとも何かの巣か?
女の子ふたりは、作家さんの娘さんがモデルで、ご自身の少女時代の記憶を絵にされているようです。
 

  優秀賞 竹下 麻衣 「おしゃべりな糸屑たち」

縫い物をされている時にたまたま散らばった糸屑の自然な形が、「まるでおしゃべりをしているように見えた。」そうです。
豊かな感受性に裏打ちされた、鋭い観察眼が素晴らしい作品を生むのですね(^^)  見習いたいです。
 

  大賞 山部 杏奈 「ある部屋の光」

2024年のグランプリはこの作品\(^o^)/
薄暗く写ってますが、現物はもっと明るい空色です。
自宅の窓辺の情景を、何度も作品にされているそうです。カーテンも窓枠も机も花瓶も、差し込む光のなかに溶け込んでいます。

以上、入選作でした。惜しくも入賞を逸した作品も、皆すばらしいです。すべては紹介出来ませんが、気になった何枚かを(^.^)
 

  後藤吉晃「日々(ひび)」

日々の移ろいを、月を通して描かれています。画面を大胆に縦分割して、それぞれ全然異なった筆致で描かれてるのが面白く感じました。
 

  山元麻衣 「一隅を照らす」

タイトルは、比叡山延暦寺を開かれた最澄上人のお言葉で、「片隅で誰に注目されなくとも、精一杯努力し取組む人こそ尊い」と解釈されますが、
もうひと捻り(笑)して「誰も注目しないモノこそ私は惹かれる。」と、流木をモチーフにされているのが面白かったです。
 

  竹歳和真 「花と遊ぶ」

花はスイレンだそうです。写生するうちに「植物の成長が自分に対する花からの反応」に思えてきたそうです。「それに喰らいつき必死に写生した。」と語られてます。
鑑賞者も、作家さんのひたむきな情念を感じずにはいられません。
 

  宇野加奈子「停まる(とどまる)」(とどまる)」

昭和の記念館で見つけられた昭和のオモチャの自動車です。「壊れ歪んでいるが、当時の子供たちの関係が反映されて妙に懐かしい。時間が停まったように感じた。」と書かれています。
まだ若い作家さんでも、こんな郷愁を感じられるんですね。と60代半ばのおじさんは驚嘆しました(^-^;
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  展示風景
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