長い夏休み(^^) も最後となった8月18日は、京都国立博物館に「京博寄託の名宝」展を見に行ってきました。 | ||
日本ではじめて京都で開催されるICOM国際博覧会会議世界大会の記念展でもあり、「美を守り、美を伝える」の副題が伝えるように、各地の寺社などから京博に寄託された6200点の中から、選りすぐりの139点が展示されています。 各パートから目についた数点を選んでお伝えします。 |
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陶磁では伝野々村仁清作「色絵蓮華香炉」(左)と青磁貼花牡丹唐草文瓢形瓶(右)がいいですね。 | ||
肖像画では、お馴染みの(笑) 神護寺のお二人。本当に源平の総大将のお顔かは別としても、優品であることに変わりありません。 | ||
中世・近世絵画の部では、上から、狩野元信「四季花鳥図」、狩野永徳「花鳥図襖」、海北友松「雲龍図」、長谷川等伯「山水図襖」を。 室町から安土桃山時代を飾る巨匠の大襖絵がずらりと並ぶのは圧巻ですね。 |
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そして、江戸時代からは、俵屋宗達「風神雷神図」と与謝蕪村「夜色楼台図」を。 | ||
書跡の部からは、弘法大師空海の「灌頂歴名」、藤原行成「本能寺切」、後鳥羽天皇「宸翰御手印置文」を。 空海の人名簿の先頭には、伝教大師最澄の名があります。 三蹟のひとり、行成の流れるような筆跡(^^)。 後鳥羽院の宸筆は遺書にあたりこれを書かれた数日後に隠岐の配所で崩御されました。朱墨で押された手形が承久の乱に敗れ流罪にされた無念を感じます。 |
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染色からは、豊臣秀吉が所用し、部下に褒美としてあたえた「鳥獣文様陣羽織」を。 正倉院御物を思わせる、エキゾチックで派手な柄に太閤さんらしさが出てますね(^.^) |
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金工からは、「金銀鍍宝相華唐草文透彫華籠」。 散華にまく花(華)をいれる籠です。繊細さ優美さに目をみはります(^^) あと、漆工で「黒漆楼閣人物文様螺鈿印籠」という、入れ子になった宝石箱を重ねたような印籠にくぎ付けになりましたが、生憎と画像が見つからなくて残念(^^; |
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国宝展に勝るとも劣らない充実した展示品です。 これだけ目の保養をさせてもらって、通常料金で鑑賞できます。JAFの会員証ほかの割引でさらにお得(大人¥520→¥410)(^^♪ 9月16日まで、夏休みの自由研究や初秋の京都観光のプランに加えてみてください。 そして、秋の特別展は「佐竹本三十六歌仙絵」ですね。 今から楽しみです(^^♪ |
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グループ展『Leaves-vol.1-』in galerie16
8月3日は、向日市のひまわり畑の帰りに、地下鉄東山駅ちかくのギャラリー16で、グループ展「Leaves-vol.1-」を見てきました。 (ひまわり畑の記事はこちら) |
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大阪の上本町にある「関西造形教育研究会」で美大・芸大を目指して勉強された皆さんのOB展です。 | ||
作品のジャンルも作風も、また作家さんの年代もいろいろですが、どの作品の素晴らしい出来栄えです。 特に、一番右の「わたしのお気に入り」という作品。管理人も気に入りました(^^) |
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ギャラリーは、三条通りを一筋北に入った岡崎神宮道の画廊や骨董屋さんや料亭などが並ぶ静かな一角にあります。 前は、何度も通っているはずなのですが、ビルの3階にあるので気が付きませんでした(^^; |
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右手の7点は、誘ってくださったちむら まゆさんの作品。 絵本作家さんらしい、明るく楽しい絵です(*^_^*) |
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左手の3枚は、お子さんをモデルに描かれたとのこと。 | ||
これも西洋の童話をもとに描かれているそうです。 | ||
最後は、アトリエの真ん中に置かれた彫刻。軽業師に見えましたが(^^) | ||
さて、展覧会名の "leaves" ですが、「ふたばが立派に成長して『葉』を茂げらせてます(^^)」というのと、「未来に向かって『出発』進行!」の意味を掛けているのでしょうか。 vol2,vol3も楽しみにしたいですね。 |
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嵯峨美大学院芸術研究科中間発表展
7月27日に嵯峨美の大学院展にいってきました。 | ||
美大とはいえ、大学院ともなれば(^^; 単に作品を造るだけでなく、いろいろと難しい(笑) 研究が必要なようです。 アートを起点に人文科学や社会科学、さらには自然科学の分野まで突っ込んで研究されてます。 |
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これは、「ノンバーバルカフェの提案」というタイトルで、「異なる文化圏の人との意思疎通を助ける非言語(ノンバーバル)コミュニケーションの研究」というテーマの成果発表です。 | ||
作品だけの展示はノーコメント(^^) | ||
秋田蘭画の復元模写です。わりと有名な絵ですがただ写すだけでなく、顔料を非破壊検査的に分析して使われている原料を探っています。 なかなか面白く感じました。 |
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作品だけの展示はノーコメント(^^) | ||
五感で伝える「季節」というタイトルで、文字を読む以前の子供に対して、五感で「体験できる」本の研究という発表です。 いわゆる「飛び出す絵本」の一種のようですが、見て、嗅いで、触って、口にいれて、聞いて、感じる絵本だそうです。 |
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これも幼児向けの段ボール家具のオモチャです。組み合わせると、机や椅子や物入れやいろんな用途に使えるそうです。 | ||
これは「ズレさくら」といって、「春に桜のシーズン以外に咲く桜」を楽しめるWebサイトを作って、シーズン以外に桜を楽しみたい人を支援するのだそうです。 | ||
なかなか高尚な研究から、失礼ながら内容がいまいち理解できない(^.^)ものまでいろいろありました。 できればレセプションにでて直接作家さんに解説していただくのが一番なのでしょうが、作家さんはだれもおられず、ちょっと生煮え(^^; な感じで会場を後にしました。 |
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横山華山展 in 京都文化博物館
京都文化博物館で開催中(8/17まで)の「横山華山展」を見てきました。 横山華山は今から200年ほど前、江戸時代後期の京都を中心に活躍した画家です。その画業を「曾我蕭白を学ぶ」「人物」「花鳥」「山水」「風俗」「祇園祭」の6つの章立で紹介します。 副題に「まだいた、忘れられた天才絵師」とあるように、いまでは江戸時代の京都画壇を専門に勉強されている方を除いて、その名は知られていませんが、江戸時代の当時は人気作家で、明治・大正頃になっても有名な作家としてコレクションの対象になっていたそうです。 ただ、人気作家でいろんな画風を使い分け、逆に狩野派などの伝統流派を学ばなかったため、生活様式が変わる昭和以降は絵画趣味の大勢や美術史の流れから取り残されて、忘れられてしまったようです。 |
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たしかに、残された作品をみると、非常にうまいというか、見ていて楽しくなりますね。 宮中や幕府・各藩といった権力者の屋敷や城郭に描かれる公式なお堅い(笑)美術品ではなく、文化人-当時のインテリ層-(下級役人や商人、地方の有力者など)が依頼したり買い込んだりして楽しんだ絵だから親近感がわくんでしょう。 |
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祇園祭祭礼絵巻や「花洛一覧図」ー俯瞰図で描いた洛中洛外図-など、当時の京の風俗を描いた作品には、祇園祭の山鉾の装飾や八坂神社の境内の様子など、200年の時を超えて、今もその面影の残るモチーフが描かれて京都人にはうれしい限りです。 | ||
人物画とくに美人画は人気だったようですし、花鳥画、山水画もインテリアとして大いに売れたみたいです。 まだ会期はあります(8/17まで)ので、一度ご覧になるのをお勧めします。詳しくは公式HPへ http://kazan.exhn.jp |
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上野の森美術館大賞展 関西展 in 京都文化博物館
京都文化博物館で開催された、上野の森美術館大賞展関西展をみてきました。 開催趣旨に 『21世紀にふさわしい清新な絵画作品を公募し、日本の美術界をになう有望な作家の積極的な参加を期待します。』 と、掲げ、若手・中堅作家さんの研鑚・発表の場になっています。 |
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「上野の森美術館絵画大賞」受賞作 張 媛媛 「トト曼荼羅」 エンカウスティーク(蜜蝋画)という技法で描かれています。 群れ飛び跳ねる魚たちで作家さん独自の世界観・宇宙観・思想観などを表されているのでしょうね。 |
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「優秀賞 産経新聞社賞」受賞作 榊原孔美子 「寧色」 優秀賞は4点あるのですが、個人的に気に入った作品です。寧色とはあまり使わない熟語ですが、心落ち着くとか安らかな色という意味合いでしょうか。 |
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「入選作」 青木香織 「拘り」 管理人が応援している作家さんの作品です。まえに別の展示で見せてもらったことがあるのですが、今回入選とのことで、また足を運んできました。 耳飾りがチャームポイント(^^)、作家さんも、『耳飾りには拘りがある』と、おっしゃってます。 |
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